|
「さよならね、と言えない」 ロキ不二稿(ろき ふじわら) 我がままで食いしんぼうのサビちゃんが今、膝元で痩せこけた身体で眠っている。もう助からない。もう間もなく逝ってしまう。公園の草むらでいつも待っていたサビは、誰かに叩かれたのかバイクに轢かれたのか二週間ほど姿を隠してそれから、とぼとぼ折れた脚でビッコをひいて現れた。「サビ!」と叫ぶと、「にゃああん」とせいいっぱい可愛い声で私を呼んだ。
夏が終わったこの前、甘えん坊のやんちゃ猫だったキジ太が薄っぺらい紙細工のように痩せこけて死んだ。我がままやいたずらをして怒られても、「だってね・・・」って様子でしょんぼり私の腕に寄りかかってきた可愛い可愛い甘えん坊だった。公園をうろついていた子猫の時に片目を腐らせていた痛々しい子だった。
もっともっと甘えさせてもっともっとだっこして唄を歌ってやって可愛がってやれば良かった。
癌でかぼちゃみたいに顔を腫らせた福ちゃんは、キジ太のすぐ後に苦しんで苦しんで死んだ。いつもは通らない大学の横の道を自転車で走っていたら、目の端に、よろよろの子猫が二匹、見えてブレーキをかけた。もう十年も前の冬だった。腐った板の下に身をちぢ込ませて寒さに耐えていた。病院に連れていって二匹は、大人だと分かった。飢えて死にかけて小さくなっていたんだった。幸福になって欲しくて福ちゃんと呼んだ。けれど最後は、かぼちゃのように顔を腫らせて、病に苦しめて死なせてしまった。まだ生きたがっていた、ずっと頑張って痛い口でご飯を食べようとし続けていた。膨れ上がった顔の中の小さな目で一生懸命何か言いたげに私を見ていた。
さよならね、と言えない。
大丈夫、ずっと私と居ていいんだよ。待ってていいんだよ。
「サビちゃん、ピンチ!」 高橋 茶太朗(たかはし ちゃたろう) 猫のサビちゃん、もの凄く具合が悪くなりました。 腎臓が悪くて、ガリガリに痩せてきていたのですが、クレメジンというお薬と、感心するくらいのガッツな食欲で、随分持ち直してきたので、まだまだ頑張れると思っていたのですが、数日前ぐらいから、ちょっと調子悪そうで、それでもまだ食欲があるので、それ程心配していなかったのですが、昨日、顎の下あたりがもの凄く膨らんでいて、腫瘍っぽいので、もしや先日他界したフクちゃん同様、癌ができてしまっているのではと大慌てで病院に連れて行ったところ、唾液線が詰まって膨らんでいるとのことでした。 癌じゃないと分かって安心したのも束の間、今日は朝からあまり食欲もなく、先程、皮下輸液をしたのですが、今はもう立てない状態です。ここのところの朝昼の温度差が堪えたのか。ひょっとしたら、今晩越せないかも。 がんばれっ、サビっ! ご飯をおねだりする姿を見れないと寂しいよ。
「網棚の事」 塔嶌 昭三(とうじま しょうぞう)
先日、電車に乗っていた時、フッと気になった事があった。
それは網棚の事。
以前は多くの人が荷物をのっけていたが、最近はほとんど誰ものっけていないようだ。
そういう自分も10年くらい前から意識して網棚に物を置くのを止めている。
理由は過去に3回ほど取り忘れて降りてしまった事があり、もう置くのは止めようと決めているからだ。
他の人はいかなる理由で置かないのだろう?同じなのか?それとも盗難の心配か?
そんなどうでも良い事が気になってしまうのです。
「」 梅田 喬(うめだ たかし)
|